このマニュアルでできること
MIERU CREWコンソールの Persona Studio(AI社員開発)ページを使って、自社専用のAI社員をWebUIだけで開発する手順を説明します。gitリポジトリやコマンドライン操作は一切不要です。ページ右上の切替で3種類の開発対象を扱えます。
| タブ | 作るもの | 公開先 |
|---|---|---|
| ペルソナ | AI社員本体(人格・行動指針・能力宣言) | Agent Storeに「自社製」として掲載 → 採用 |
| スキル | 手順書(SKILL.md)+同梱スクリプト | スキルカタログ → AI社員へ割当(Capabilities/同梱スキル) |
| コネクタ | 外部SaaSのREST API接続定義 | Connector Registry → コネクタ対応ペルソナが利用 |
いずれも流れは共通で「作成 → 編集 → 承認申請 → テナント管理者の承認 → 公開/登録」です。文書を自分で書かずにチャットで話すだけで作りたい場合は、次の「対話で作る(オンボーディングAI)」を参照してください。
対話で作る(オンボーディングAI)
文書を書かずに、チャットで話すだけで下書きを作ってもらう方法です。Agent Storeの公式AI社員「オンボーディングAI」を採用すると、要件をヒアリングして、このページで説明するペルソナ・スキル・コネクタのPersona Studio下書きを代理作成してくれます。プログラミングやMarkdownの知識は不要です。
Agent Storeの提供元フィルタ「公式(MIERU CREW)」で絞り込み、「オンボーディングAI」を採用します。ペルソナ開発ツール(コネクタ)を使う能力を持つため、採用時に管理者の承認(R3)が必要です。
オンボーディングAIのCommand Inboxを開き、任せたい業務・口調・判断基準などを普通の言葉で伝えます。不足している情報は先方から質問されます(1回2項目まで)。要件が集まると下書きが作成され、進捗が報告されます。
スキルも対話で作れます
ペルソナだけでなく、スキル(作業手順書)の下書きも対話で代理作成できます。定型化したい作業・入力と出力・品質基準を伝えるだけです。
| 会話の例 | オンボーディングAIの動き |
|---|---|
| 「複数人の週報を1枚のサマリーに整形するスキルを作って。入力はMarkdownの週報、出力は部署ごとの要点3行とリスク・依頼事項の抽出で」 | 内容を確認 → スキル下書きを作成し、SKILL.md(目的・入力・手順・出力形式・品質基準)を書き込み → 概要・カテゴリを設定 → 検証まで実行して報告 |
| 「承認申請してください」 | 公開の承認申請を起票し、承認番号を報告(明示的に依頼したときだけ申請します) |
- 作られた下書きは Persona Studio > スキル でいつでも確認・手直しできます(チャットで修正依頼も可)
- 承認申請時には、人間がStudioから申請する場合と同じセキュリティ静的検査が適用されます(危険なコードは申請自体が拒否されます)
- 公開後のスキルは通常どおりCapabilitiesページからAI社員へ割当できます(割当方法はマニュアル「ペルソナを選んでから実際に動かすまで」参照)
- スクリプト実行を伴わない「手順書だけのスキル」を推奨します(不要なツール権限を求めない方針で作成されます)
コネクタも対話で作れます
社内APIなどへの接続定義(コネクタ)の下書きも対話で作れます。接続先URL・認証方式(APIキー / Bearer / OAuth2)・使いたい操作を伝えると、定義を作成して検証結果を報告します。APIキー等の認証情報は対話では扱いません(下書きにも書きません。公開承認後にConnector Settingsで管理者が設定します)。
作られた下書きはPersona Studioページ(このマニュアルの編集画面)でいつでも確認・手直しできます。チャットで修正を頼んでも構いません。内容が固まったら「承認申請してください」と明示的に伝えると、公開の承認申請が起票され、承認番号が報告されます。
以降は自分で作った場合とまったく同じです。全社承認ボードでテナント管理者が承認すると公開され、Agent Storeに「自社製」として掲載 → 採用できます。
2つの開発モード
新規作成時にモードを選びます(作成後の変更はできません)。どちらのモードで作ってもチャット(Command Inbox)と定期タスクの汎用ランタイムで動作します。
| 簡易モード(推奨) | 高度モード | |
|---|---|---|
| 書くもの | SOUL.md(人格・役割)+ SKILL.md(行動指針) | 左に加えて POLICY-*.md(業務ルール文書)を複数追加可能 |
| 能力設定 | 能力プロファイル・コネクタ・外部通信先の宣言 | 左に加えて公開スキルの同梱(版固定)を事前指定可能 |
| 向いている用途 | 調査・文書作成・相談役など、チャット中心の汎用業務 | FAQ・監視ルールなど定型化された業務ルールを持たせたい業務AI |
ペルソナの開発手順
サイドバーの Persona Studio(AI社員開発) を開き、画面右上の「+ 新規作成」を押します。名称(日本語可)・識別子(英小文字・数字・ハイフン 3〜24文字。後から変更不可)・開発モードを入力して作成すると、テンプレート入りの下書き(draft)が作られます。
左がエディタ、右がMarkdownプレビューの分割画面です。ファイルごとに「保存」を押してください。
- SOUL.md — 人格・役割・口調・判断基準(「あなたは〜の専門家です」)。必須です
- SKILL.md — 行動指針・作業手順・出力形式(任意。あると品質が安定します)
- POLICY-<名前>.md —(高度モードのみ)FAQ・監視ルールなどの業務ルール文書。「+POLICY追加」で作成します
基本情報タブで、概要(Agent Storeのカードに表示)・部署(Office View表示)・見た目(スプライト)を設定します。すべて承認申請の必須項目です。
スプライトはプリセットから選ぶほか、「画像をアップロード」から自社の画像を登録できます。
- 形式 — PNG・正方形(32〜256px)。ドット絵推奨(拡大表示されるため)
- アニメーション — 同じ状態に複数枚(最大8フレーム)アップロードすると約0.2秒間隔で切り替わります
- 状態 — 「待機(idle)」が必須です。解析中・完了など他の状態(全17種)は任意で、未収録の状態は待機画像で表示されます
- 再利用 — アップロードしたスプライトはテナント内の他のペルソナでも選択できます
能力・権限タブで、このAI社員に許す実務能力を宣言します。宣言していない能力は実行時に拒否されます(fail-close)。
| プロファイル | できること |
|---|---|
read_only(既定) | ワークスペース内ファイルの閲覧のみ。承認はR2(通常承認) |
web_research | サンドボックス内コマンド実行+宣言ドメインへのWebアクセス |
connector_assist | 上記+コネクタ(Gmail / freee)の読み取り |
connector_write | 上記+コネクタへの書き込み(常に承認制) |
- Write権限は
approval_required(承認制)未満にはできません(dual_approval=二者承認へ強化は可能) - 月次LLM予算は¥5,000〜¥100,000。LLM呼び出しはRouteHub経由のみ(仮想キー自動発行)
- 高度モードでは同梱スキルを審査済みスキルカタログから選べます(採用後にCapabilitiesページで追加することも可能)
検証タブに承認申請チェックリストが表示されます。✗(未入力・上限超過・指示上書き(プロンプトインジェクション)語彙の検出など)は申請をブロックします。⚠(危険コマンド語彙の言及など)は申請可能ですが、承認カードに表示され承認者の判断材料になります。
「承認申請」を押すと全社承認ボード(Office Viewの「承認待ち」カードから開けます)に公開承認カードが作成されます。読み取り専用のペルソナはR2(Owner / Admin / Operator / Approver が承認可能)、読み取り専用を超える能力を含むペルソナはR3(Owner / Admin / Approver のみ)です。申請者本人は承認できません。
承認されるとAgent Storeに「自社製」バッジ付きで掲載されます(提供元フィルタ「自社製(Persona Studio)」で絞り込めます)。採用手順は通常のペルソナと同じです(マニュアル「ペルソナを選んでから実際に動かすまで」参照)。
公開後の内容変更は「新バージョン作成」から行います。現在の内容をコピーした下書き(v2, v3, …)が作られ、編集→承認申請→承認の流れは初版と同じです。
- 新バージョンの編集中・承認待ちの間も、公開中の版はそのままAgent Storeに掲載され続けます
- 採用(デプロイ)中のAI社員には、新バージョンの承認時に自動で反映されます(ランタイム再起動 約40秒)
- 「非公開化」(理由必須)でStoreから取り下げられます。採用済みのAI社員は現在のリリースのまま稼働を続けます
- 削除できるのは公開実績のないペルソナのみです(公開後は非公開化で運用)
スキルの開発手順(スキルタブ)
スキルは、AI社員に追加できる手順書(SKILL.md)と同梱スクリプトのパッケージです。公開すると、通常のカタログスキルと同じようにCapabilitiesページやペルソナの同梱スキルから自社AI社員へ割当できます(版固定ベンダリング)。
スキルタブの「+ 新規作成」で名称と識別子を入力します。SKILL.md先頭のfrontmatter(name / description)は自動検査の対象です。スクリプト(例: scripts/run.sh)は「+ファイル追加」で同梱できます。
- 要求ツールprefix — スキルが必要とする実行権限(例:
exec)。空でも「追加権限なし」の明示が必要です - 必要な外部コマンド — サンドボックスに必要なCLI(指定すると「外部コマンド必要」扱い)
申請時に自動セキュリティ検査が実行されます。危険パターン(curl|sh・Dockerソケット等)やバイナリ同梱は申請自体がブロックされ、注意項目(sudo・ネットワーク呼び出し等)は⚠警告として承認カードに表示されます(承認をもって確認済みとして記録)。指示のみのスキルはR2、スクリプト同梱・ツールprefix要求を含むスキルはR3承認です。
コネクタの開発手順(コネクタタブ)
コネクタは、外部SaaSのREST APIを宣言的な定義(接続先・認証方式・ツール一覧)として登録するものです。プログラミングは不要で、登録後はコネクタ対応ペルソナ(connector_assist / connector_write)がmcporter経由で利用できます。
- ベースURL —
https://+公開ドメインのみ(IPアドレス・社内ホストは拒否されます) - 認証方式 — APIキー(カスタムヘッダ)/Bearerトークン/OAuth2(認可コード)/認証なし。OAuth2では認可URL・トークンURL・要求スコープを定義し、クライアントID/シークレットはConnector Settingsで登録します(トークンの自動リフレッシュ付き)
- ツール — ツール名・read/write・HTTPメソッド・パス(
/items/{id}のプレースホルダ可)・パラメータ(query / body / path)を定義。readはGETのみです - 読み戻し検証(writeツール・推奨) — 書き込み後にreadツールで再取得して結果を照合する検証を定義できます(パラメータは
$params.x(申請時の値)/$result.y(応答の値)で参照)。検証に失敗した書き込みは成功扱いされません。未定義の場合は2xx応答ベースの弱い検証になります
外部通信の新設のため常にR3承認です。承認カードには接続先・認証方式・全ツールの一覧が表示されます。承認されるとConnector Registryへ登録され、Connector Settingsに表示されます。公開後の定義変更も同じ流れで再承認します(承認されるまで旧定義で稼働)。
サイドバーの Connectors で認証情報を設定します(いずれも暗号化vault保管。AI社員のサンドボックスには渡りません)。認証なしのAPIはこの手順は不要です。
- APIキー / Bearer — 「APIキー設定」でキーを保管
- OAuth2 — 「クライアント設定」でクライアントID/シークレットを登録(外部サービス側にはリダイレクトURI
…/api/connectors/<コネクタID>/oauth/callbackを登録)→「OAuth接続」で認可
ペルソナの能力・権限タブで connector_assist(読み取り)または connector_write(書き込み・承認制)を選び、必要コネクタに登録したコネクタを指定します。
- 読み取りツール — AI社員が自律的に呼び出し、結果を使って回答・作業します
- 書き込みツール —
connector_writeのAI社員にのみ「【承認制】」付きで提示されます。AI社員が呼び出すと即時実行ではなく書き込み承認申請が起票され、AI社員は承認番号をユーザーへ報告します。全社承認ボードで管理者がパラメータを確認して承認すると、Connector Gatewayが実行します(冪等=承認二度押しで二重送信されない・実行前スナップショット・読み戻し検証つき。同一内容の重複起票は同じ承認にまとめられます)
できないこと(SaaSの制約)
- カスタムプログラム(専用ハンドラ)・独自ワークフローの開発 — AI社員は共有インフラ上の汎用ランタイム(チャット・定期タスク)で動作します。構造化された入出力契約を持つ専用処理(公式CS担当・経理担当のような形)はSaaS運営側の開発範囲です
- 応答契約・禁止事項の変更 — AGENTS.mdの共通ラッパー(応答契約・利用可能ツール・禁止事項)はプラットフォームの安全機構のため編集できません。作成者がコントロールできるのはその内側(SOUL / SKILL / POLICY)です
- スキルの直接インストール — 外部レジストリからのランタイム直接取得はできません。スキルカタログ(審査済み・版固定)からの同梱・割当のみです
- 実APIキーの直接利用 — LLM呼び出しはRouteHub経由(仮想キー)、外部サービスはConnector Gateway経由のみです。APIキー・トークン・OAuthクライアントがAI社員のサンドボックスへ渡ることはありません
- 承認なしの外部書き込み — AI社員による外部サービスへの書き込みは必ず承認申請の起票→管理者承認を経ます(設計原則。完全無人の書き込み自動化は提供しません)
困ったとき
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 「この識別子は使用済みです」と表示される | 識別子はカタログ全体で一意です。別の識別子を指定してください |
| 承認申請が「検証未通過: prompt_injection…」で失敗する | 文書内に指示上書きパターン(「以前の指示を無視」等)が含まれています。該当箇所を修正してください |
| 承認申請が「検証未通過: manual_length…」で失敗する | 合成後8,000文字を超えています。文書を短縮するか、複数ペルソナに分割してください |
| 「承認待ち」のまま進まない | 全社承認ボードで承認待ちです。申請者以外の管理者(R3はOwner / Admin / Approver)に承認を依頼してください |
| 承認しようとすると「申請者と同一のユーザーは承認できません」 | テナント内4-eyes原則です。別のユーザーが承認してください |
| 「申請後に内容が変更されています」と表示される | 申請時点と内容が異なるため承認できません。申請を取り下げて再申請してください |
| 編集しようとしたが入力できない | 編集は下書き(draft)のみ可能です。公開済みは「新バージョン作成」、承認待ちは「取下げ」を使ってください |
| 削除ボタンが押せない | 公開実績のあるペルソナ/割当中のスキル/登録済みコネクタは削除できません。「非公開化」(コネクタは無効化)で運用してください |
| スキルの承認申請が「security.dangerous_patterns_critical…」で失敗する | スクリプトに危険パターン(リモートスクリプト実行・Dockerソケット等)が含まれています。該当箇所を修正してください |
| コネクタの検証で「base_url」が✗になる | ベースURLは https://+公開ドメインのみです。IPアドレス・社内ホスト名は使用できません |
| コネクタ実行が「APIキーが未設定です」で失敗する | Connector Settingsで「APIキー設定」を行ってください(Owner / Admin / Developerロール) |
| 割り当てた自社スキルの新版がAI社員に反映されない | 割当は版固定です。Capabilitiesページでスキルを削除→再追加すると新版が適用されます |
| スプライトのアップロードが「PNG形式のみ」「正方形の画像のみ」で失敗する | PNG・正方形(32〜256px)・1フレーム300KB以下のみ対応です。JPEGはPNGへ変換してください |
| アップロードしたスプライトの動きが状態によって変わらない | アップロードしていない状態は待機(idle)画像で表示されます。状態ごとの画像は任意で追加できます(全17種) |
スプライト(見た目)をAIで生成する
ペルソナ編集画面の「見た目(スプライト)」セクションでは、PNGアップロードに加えてAI生成が使えます。「AIでスプライトを生成」を開き、お客様自身のPixelLab APIトークン(pixellab.aiで取得)を設定してください。
- 手順: トークン保存 → 「1. ブリーフを生成」(ペルソナの説明からキャラクター描写を自動作成。英語プロンプトは編集可)→ 「2. スプライトを生成」(17状態×4フレーム、数分)→ プレビューで確認 → 気になる状態だけ再生成 → 「承認してこのペルソナに設定」
- 1体あたり約72 generations を消費します。トークン・生成物はお客様のテナント内にのみ保存されます
- 操作には Owner / Admin ロールが必要です
設定フォームの定義(設定項目を持つAI社員にする)
「能力・権限」タブの設定フォームセクションで、採用後にAgent Detailから変更できる専用の設定項目を定義できます(例: レポート送信時刻、対象範囲、自動実行のON/OFF)。
- 項目ごとに key(英小文字・数字・_)・表示名・型(文字列/文章/数値/ON/OFF/選択肢)・既定値・必須・説明を指定します。並び順がそのまま設定画面の表示順になります(最大20項目)
- 設定値はAI社員の作業指示とワークスペースの
settings.jsonに渡り、タスク遂行時に参照されます - 公開承認後にAgent Storeで採用すると、Agent Detailの「採用時の設定」カードに設定フォームが表示されます。値の変更は無停止で次のタスクから反映されます